AIを使い倒して、AIにはできないレッスンを
- Halle Deutschkurs
- 3月22日
- 読了時間: 3分
2023年以来、ChatGPTをはじめとする生成AIの進化は、語学教育の在り方を大きく変えつつあります。AIは言語能力と情報処理の面で人間の教師を超えつつあり、従来の語学教師が担ってきた役割の多くは、すでにAIによって代替される時代に入っています。私たちはこの変化を、より効率的な言語学習を可能にするためのチャンスととらえています。以下で、3点の点から、私たちの目標を提示いたします。
1 AIにできないことをする
AIにできないことは何か?私たちは、それは「身体」と「コミュニケーション」に関わる領域だと考えています。AIは発声器官を持たず、発音やイントネーションの細かなニュアンス、声の出し方そのものを実地指導することはできません。また、相手の表情の変化を読み取り、場の空気に合わせて「間」を調整し、声のトーンを変えるといったリアルタイムの対話能力も、AIにはまだ難しい領域です。
だからこそ、私たちの教室は文法・語彙学習を中心としつつも「発音・イントネーションのトレーニング」と「空気を読む会話レッスン」にも配慮し、むしろここに最大の強みを置いています。そのために、講師自身も音声学やコミュニケーション理論を学び続け、AIでは再現できない「身体感覚」を重視したレッスンを提供しています。
2 AIを活用する
一方で、AIの力を最大限に活用することも欠かせません。私たちは従来の「教科書を購入し、章ごとに進める」という学習スタイルをやめました。代わりに、以下のプロセスを導入しました。
最新の言語教育理論と複数の教材データをAIに分析させる。
学習者の学習歴・目的・学習法をAIとともに診断する。
どのような60分のレッスンが最も効果的かをAIと「打ち合わせ」をする
その結果をもとに、講師が個別のレジュメを作成し、実際のレッスン後には学習者の反応をAIにフィードバック。再度分析を行い、次回のレッスンプランを修正・最適化するサイクルを繰り返しています。これにより、完全オーダーメイドの学習が実現し、生徒一人ひとりの目標達成に直結するレッスンを提供しています。
また、講師の弱みである日本語能力を翻訳機能を使うことで補うことも可能となっています。
3 AIの使い方を教える
現代は、会話アプリやAIチャットを使えば、高額なレッスン料を払わずとも練習できる時代になりました。しかし、それを使いこなしている人はまだ限られています。多くの学習者は、AIをどのように活用すれば効果的か、その「学び方」を知らないのが現実です。
そこで私たちは、
作文チェックのためのプロンプト作成
自己学習に役立つAIツールの選定
学習計画のAIによる立案
など、学習者自身がAIを使いこなすためのコーチングも行っています。 単なるレッスン提供ではなく、学習方法そのものをデザインし、サポートする。
まとめ
AI、教師、学習者の三者が協働し、それぞれの役割を最大限に発揮する。それが、私たちが提案する新しい語学教育のモデルです。「AIを使い倒し、AIにできないレッスンを提供する」。ぜひこの新しい学びの形を、あなたの学習に取り入れてみませんか?
ハレ・ドイツ語教室 服部イーネス/服部一宏 2025年3月22日

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